映画「3月のライオン」は前編・後編の二部作品。両方とも2時間超えと結構長め。
しかし、見入ってしまって、一日で両方見てしまいました。
将棋のことなんて全く知らない私を夢中にさせた「3月のライオン」感想です。
「3月のライオン」は原作、TVアニメ化もした人気作品
今、LINE漫画で「3月のライオン」が無料配信されています。毎日楽しみに読んでいたのですが、無料配信が終わってしまいました。
「原作に課金するか…」と考えていたところ、そういえば映画化していたな、と。しかも神木隆之介じゃん!映画にしよう!と、Amazonプライムを開きました。
作品のパッケージを見た瞬間、「桐山くんそのものじゃん…」と感動。神木隆之介、すごいです。
原作もLINE漫画でパパパっと読んでいただけだし、アニメも見ていません。そんなニワカ3月のライオンファンです。
あらすじ
https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/951
中学生でプロ棋士としてデビューした桐山零は、東京の下町に一人で暮らしている。幼い頃に交通事故で家族を失い、父の友人である棋士の幸田に引き取られたが、自分のせいで幸田家に亀裂が入り、家を出るしかなかったからだ。深い孤独を抱えてすがりつくように将棋を指し続けていたある日、零は近隣の町に住む川本家の3姉妹と出会い、彼女たちとのにぎやかな食卓に居場所を見出していく。温かな支えを胸に、闘いへと飛び込む零。若手NO.1を決める新人戦、最高峰を決める師子王戦― それは、様々な人生を背負った棋士たちが、頭脳と肉体と精神のすべてを賭ける壮絶な闘いだった。
ところが、ある事件が川本家を襲い、さらに3姉妹を捨てた父親が現れ、耳を疑う要求を突き付ける。一方、幸田家も子供たちが父に激しく反発し、崩壊へと向かっていく。大切な人たちを守るため、強くなるしかない― 新たな決意のもと獅子王戦トーナメントに挑む零。トップには、将棋の神の子と恐れられる宗谷名人が待ち受けていた─。
https://www.asmik-ace.co.jp/lineup/951
3月のライオン、実写化したからこその将棋の撮り方
私、カメラが趣味なのですが、「カメラが好きな人間」として見ていました。
映像そのものの色味、将棋盤を入れたときの構図、光の入り方。映画の中身はもちろん、映し方に注目をしていました。
桐山零が住む、川が見える部屋のシーン
一番印象に残っているのが、一番最初のシーン。
神木隆之介が演じる主人公「桐山零」。彼が住んでいる部屋には大きな窓があって、窓からは川が見えます。その川は屋形船が通るような大きい川。
カーテンもない、テレビもない。あるのは最低限の家具と、将棋盤。薄暗い部屋の中で、桐山零が将棋と向き合っていました。
私のインテリアに対する好みもありますが、まずガランとした何もない部屋から見える夜の川。黒がすごく綺麗で、綺麗で。
桐山零が新人王になった後。宗谷名人と記念対局をした盛岡のシーン
光の入り具合がめちゃくちゃに綺麗でした。二人の精神世界みたいになってたのかな。綺麗な光が入って、お互いと将棋だけの世界。
神聖な、神々しい雰囲気はあの光があったからだなと。また、将棋盤を真横から映していたのも、定点カメラのようですごく美しい。
緑がある部屋に光がたくさん入ってきて、二人が向かい合っている。はあ、神々しい。
桐山零と川のシーン
日常的に見えている川がやっぱり綺麗なんですよね。というか、この作品は「川」を大切に描いていると思う。
桐山くんが住むのは大きな川が見える部屋。どこかへ行くときはほぼ必ず川の横の道を通る。(確か八丁堀駅の近く)
春には桜が咲いていて、ダッフルコートを着込んだ桐山くんが早歩きをしていて。桐山くんの生活に欠かせないのが川。
あの川は、桐山くんと誰かの距離を表しているのかな、と。
特にそう思ったのは、後編。三姉妹の次女、ひなちゃんが学校でいじめにあって、川で泣いているシーン。
川の側であんなに桐山くんと時間を過ごしたのはひなちゃんだけ。そのひなちゃんがいじめられた理由は、いじめられていた子を守ったから。
そしてひなちゃんは助けたことは間違っていなかったと力強く言いました。その言葉に、昔いじめにあっていた桐山くんは救われた。ひなちゃんと桐山くんの心の距離が近づいた瞬間です。
また、三姉妹と揉めてしまった後、家に逃げ帰るときも川のすぐ側を早歩きしていて、お姉さんである有村架純を送るときも川が背景にある。
三姉妹は、あの川を超えて桐山くんの家にやってきました。
先ほど「あの川は、桐山くんと誰かの距離を表しているのかな」と書きましたが、誰かとの距離というよりかは、桐山くんの心というか。テリトリーというか。乗り越えて家まで来てくれる三姉妹や、ライバルの二階堂。彼らには心を許しているというか。そういう印象を受けました。
桐山零の周りの人間関係を描いた後編
映像やら好きなシーンの話しかしていませんが…。前編では、主に将棋に向き合う桐山零くんを。そして後編では、桐山零くんの周りの人間関係を中心に描かれています。
桐山零には「将棋しかない」
桐山くんにとって、将棋は生きるためのもの。
小さい頃自分以外の家族が全員、交通事故で亡くなりました。身寄りがなくなった桐山くんを引き取ってくれたのが、父の友人のプロ棋士。
将棋を好きだと嘘をつかないと、生きていけないと思った桐山くん。この瞬間に将棋で生きることが決まりました。
その後の成長は著しく、中学生にしてプロになった天才棋士。引き取ってくれた家庭には2人の子どもがいたけれど、桐山くんより将棋が強くなかった。
だから、2人の子どもたちにとって、桐山くんは邪魔者でした。
姉である有村架純の「あんたには何にもない」。このセリフが桐山くんを縛りつけていて、度々「俺には将棋しかないんだよ」と。
だけど、三姉妹と関わっていくことで桐山くん自身に変化があり、「将棋しかないわけではない桐山くん」になっていくのです。
桐山くんの心の支えとなっていた三姉妹とのトラブル
間違えてお酒を飲んでしまって、グデグデになっていたところを三姉妹の長女に拾われた桐山くん。三姉妹の家に連れて帰ってもらい、一泊お世話になることに。
そこから、桐山くんと三姉妹の仲ははじまりました。
お盆を一緒に過ごし、風邪のときは家まで来てくれて、次女のいじめ問題には一緒に立ち向かって。「三姉妹の頼りになりたい」そう思った桐山くんは、少し空回り気味。
次女のいじめ問題のときも、本人の意見を聞かずにお金を出すことを考えました。そのあとに起きた本当のお父さん事件でも、少し言い過ぎてしまって。いつもは「いらっしゃい」と優しく出迎えてくれる三姉妹たちに「帰って」と言われてしまいました。
もちろん、やり過ぎてしまった桐山くんは悪いです。だけど、やっと他人に関わって、大切だと思えた人が困っていたら、全力で助けてあげたくなる気持ちはすごくわかる。
良かれと思ってやったことを拒否されて。追い出されたような気持ちというか、見捨てられた嫌われた。そう思っても仕方ないというか。たくさん優しくしてもらったし好きだったけどもういいやみたいなやっぱり俺には将棋しかないやっぱり人間は裏切るんだみたいな。
そんな気持ちが、あの部屋のワンシーンに現れていたと思います。
桐山くんの人間関係を表していた?部屋のインテリア
インテリアというほどの良いものではないですが…。
桐山くんの部屋って、最初の方で書いたようにすごくガラガラだったんです。だけど、途中でライバル?の二階堂くんが「引っ越し祝いだ!」と言って高級な布団を持ってきてくれました。
その後、もしかしたら私の見間違いかもしれないのですが、最初のシーンで桐山くんの部屋にカーテンってなかったと思うんです。多分。自信はないけど。だけど、ラストシーンではカーテンがしてあって。
周りの人と関わることで部屋も人間らしくなっていったのかなって思ったんです。でも、ちょっと最初の方のシーン見直さないと、こんなこと書いて良いのか不安になってきました。笑
時間があるときに、また見返そうと思います…!
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